木鉢を乗せる台がついに壊れてしまいました。
毎日の 【捏ね】 の作業の積み重ねが、仕口をはずしてしまいました。
完全に抜けてしまっています。
さすがにもう限界だろう…ということで、
以前からお世話になっていた家具職人の松葉さんに相談してみたところ
『見たところ仕事して作ってあるし、木もまだ生きています。直しましょう!』
とのこと。
正直なところ、新しいものをと考えていましたが
なるほどそうか、その一言で直してもらおうと思いお願いすることに。
…そして準備を整えての再訪。
わずか三時間ほどの作業で補強も含めばっちり綺麗に直りました。
しっかりとした仕事をしたものであれば、
しっかりとした修理は可能であるし、まだまだ現役で頑張れるものはあるのだと
恥ずかしながら気付くこととなりました。
また、そうしたものこそが本当に長く使え愛着の持てるものだと。
包丁や木鉢、打ち棒、生舟はしっかり手入れするのに、それだけじゃね!
さて、『一鉢、二のし、三包丁』と言われるように、
木鉢の作業は一番難しく、また蕎麦打ちにとって最も重要な作業です。
これで明日からまた 【捏ね】 の力を受け止めて頑張ってもらえそうです。
いろいろとありがとうございました!
以下は作業風景です。ご興味のある方はのぞいてみて下さい。
- 分解後、一本一本洗い直しながら仕口を整えています -
- ばらしてみると仕事が良くわかります -
- 元通り組み直すために良く見ると番号が振ってあります -
- 補強のための細工中です -
- 少しずつ組み上がってきました -
- 接着材を付けた上にビス留めして仕口がぬけないように -
- ねじれ対策の補強 -
- 丈夫に組み上がりました -
- 木鉢をセット、綺麗にはまります -
松葉さんが言うには、構造的に厳しい作りになっているために
おそらく4~5年でまたがたついてくるだろう、とのことでした。
また、今回のことでわかりましたが、
木鉢は、平らな場所にそのまま置いて作業した方が安定するように
重心を設定して作られているようです。
ゆえに、ずるずる動かない仕掛けをする程度で
ただ置く、というのが実のところ一番理に適っているのかもしれません。
次回に続く…といったところでしょうか。しかし道具は面白いです。