常陸(ひたち)とは、茨城県・北東部を指します。
昭和53年に現・常陸太田市の在来種『金砂郷在来』から
選りすぐりの種を選別、改良され誕生した品種です。
昭和60年には茨城県の奨励品種に採用され、
現在は北部を中心に県内各地で栽培されています。
早速製粉してみるとスッと上品な香りが立ち上がってきます。
昨年の11月に収穫されたものですから、もう半年以上経っているのですが!
保存技術の向上も然ることながら、さすが、その品質に驚かされます。
当然、すぐさま打って試食してみました。
蕎麦の風味というか甘味が強く、やはり上品な香りが優しく抜けていく
実に美味しい蕎麦でした。また打ちたいと思わせてくれる蕎麦です。
そして、早く新蕎麦を味わってみたい!と。
さて、この『常陸秋そば』ですが、あと一月ほどで作付けの季節となります。
いつもであれば、早く新蕎麦を試してみたいものです、と〆たいところですが、
今年はまだまだ収まる気配のない原発問題があります。
蕎麦は適期播種の期間が非常に短い(5日程度しかない)ので
判断が少しでも遅れ播種がずれ込めば、その分収穫に影響が出てきます。
情報も二転三転、農家さんは非常に辛い立場に立たされている事と思います。
素晴らしい蕎麦の産地が多くあるゆえ、この問題は非常に気がかりです。
被災された方々が少しでも早く『平和な日常生活』に戻ることができ、
現地の農家さんは、ただ純粋に良いものを作ろうという気概に燃え、
私共は『常陸秋そば』のみならず、東北の蕎麦を一線一線丁寧に打ち上げ、
何の気兼ねもなく、皆様に美味しく味わっていただける日が来ることを…!
日常があるということは、いかに尊いものなのか、
そう思わずにはいられない、蕎麦打ちとなりました。
これからもまた、現状を良く知り、変化していく状況を追うと共に、
自分達に出来る形のサポートを、小さな事からしていこうと思います。
なお、投稿の内容が今現在、最もデリケートな部分に触れているため、
拙い文章や、ご覧になった方々を不快にさせてしまう表現など
至らぬ点がございましたら申し訳ございません。
現地にはこんなにも素晴らしいものがあるのです!
というのをただお伝えしたく、ここに公開させていただいた次第です。