2011/07/28

8月の営業日




8月の営業日のお知らせです。
今月の休業日は毎週水曜・木曜と、第三火曜(16日)とさせていただきます。

みなさまのご来店お待ち申し上げております。

2011/07/26

木鉢の汚れ

『木鉢の汚れ具合で、打手の技量がわかる』
なんて話をチラッと小耳に挟んでドキリ!そしてやはり。

蕎麦打ち一回毎に大なり小なり発見や不思議に思う事はありますが
その一つ、捏ね終わった後の木鉢の汚れがずっと気になっていて。

休日を利用して、美味しい!と思うお蕎麦屋さんに
日頃の疑問の解消を期待して仕事を見に行くことがあるのですが、
大体そういったお店は仕事も美しく、そして肝心の木鉢も汚れていない。


…なぜ?!

おいおい、一体何を見に行っているんだ、なんて叱られてしまいますが
結局のところ『鉢』の仕事、『水回し・くくり・捏ね・へそだし』は、
やはり感覚的、経験的なところが大きいと思われます。
それが『一鉢』と言われるゆえんの難しさ。

いや、決して言い訳ではございません!たぶん。

と言うことで、諸先輩方のような美しい仕事ができるように、
もっともっと良い蕎麦が打てるように日々精進!でございます。


で、それだけ?と言われちゃいけませんので、
さてここからは、私個人の勝手な考察備忘録ですのであしからず、
と先に逃げておいて、そう思うポイントはいかに。

見て聞いて読んで調べて、そして自分で打ってみて、
木鉢の汚れが少なく捏ねれた時の事を思い返してみると、

  • 加水がピタリあった。
  • 水回しが優しく丁寧にできた。
  • くくりまでに要した時間が長すぎでも短すぎでもなかった。

すなわち、その時々の蕎麦の状態にあった適正加水量を見極めて
極僅かの調整を残しながら、なるべく一度で適正量まで加水してあげること、
(調整量を少なくして一度で加水すると考える理由はまたどこかで)
そして調整は『なるべく早い段階』でしてあげること、
水回しを優しく丁寧に『根気良く』決して急いて力で撚らないこと、
適度なスピードで徐々に粘度を引き出してあげること、
が良いのではないかと思います。

ええっと…、やはり感覚的な話ばかりで恐縮です、はい。


仕事の時間にしてわずか10分弱のことなのですが、
例えるなら、木鉢での蕎麦は何と言うか、
まるで高校生に成長するまでの我が子を見ているかのよう(妄想)です。
(子供まだいないので…生意気言ってます!)


水をあげすぎればズルズルユルユルベタベタ、
ある意味では融通利きますが、もうちょっとシャキッとしようよ、と。
逆に水が少なければガッチガチの頑固者に。

水回しを雑にすればどこか拗ねた、ちょっと食えない粉っぽい蕎麦に。

根気良く優しく水をまわさずに、急いて力尽くに撚りをかけちゃえば、
水を多く含んだ部分が先に糊化して、これまたなんだよなんて拗ねだして、
みんなと逸れて木鉢にべっちょりしだしたり。


まだまだ人生経験の少ない私にはなかなか悩ましいところではありますが
それでも少しずつ、う~む…なんて唸りながら。

その甲斐あってか、段々と木鉢の汚れも少なくなってきているんです。
いや本当。(たまにバシッと決まるときだって…!)


と、まぁ、こんな事も考えいてた時期があったなんて笑えるように、
明日も頭を抱えながら、愛しい我が粉と向かいあうわけです。

2011/07/22

常陸秋そば

先日、平成22年度産『常陸(ひたち)秋そば』の実を1kgほど頂きました。

常陸(ひたち)とは、茨城県・北東部を指します。
昭和53年に現・常陸太田市の在来種『金砂郷在来』から
選りすぐりの種を選別、改良され誕生した品種です。
昭和60年には茨城県の奨励品種に採用され、
現在は北部を中心に県内各地で栽培されています。

早速製粉してみるとスッと上品な香りが立ち上がってきます。
昨年の11月に収穫されたものですから、もう半年以上経っているのですが!
保存技術の向上も然ることながら、さすが、その品質に驚かされます。

当然、すぐさま打って試食してみました。
蕎麦の風味というか甘味が強く、やはり上品な香りが優しく抜けていく
実に美味しい蕎麦でした。また打ちたいと思わせてくれる蕎麦です。

そして、早く新蕎麦を味わってみたい!と。


さて、この『常陸秋そば』ですが、あと一月ほどで作付けの季節となります。

いつもであれば、早く新蕎麦を試してみたいものです、と〆たいところですが、
今年はまだまだ収まる気配のない原発問題があります。

蕎麦は適期播種の期間が非常に短い(5日程度しかない)ので
判断が少しでも遅れ播種がずれ込めば、その分収穫に影響が出てきます。
情報も二転三転、農家さんは非常に辛い立場に立たされている事と思います。

素晴らしい蕎麦の産地が多くあるゆえ、この問題は非常に気がかりです。


被災された方々が少しでも早く『平和な日常生活』に戻ることができ、
現地の農家さんは、ただ純粋に良いものを作ろうという気概に燃え、
私共は『常陸秋そば』のみならず、東北の蕎麦を一線一線丁寧に打ち上げ、
何の気兼ねもなく、皆様に美味しく味わっていただける日が来ることを…!

日常があるということは、いかに尊いものなのか、
そう思わずにはいられない、蕎麦打ちとなりました。


これからもまた、現状を良く知り、変化していく状況を追うと共に、
自分達に出来る形のサポートを、小さな事からしていこうと思います。


なお、投稿の内容が今現在、最もデリケートな部分に触れているため、
拙い文章や、ご覧になった方々を不快にさせてしまう表現など
至らぬ点がございましたら申し訳ございません。

現地にはこんなにも素晴らしいものがあるのです!
というのをただお伝えしたく、ここに公開させていただいた次第です。

2011/07/11

韃靼そば茶のムース




梅雨も明け、いよいよ本格的な夏到来!

こんな暑い日にこそ、ぴったりな夏のデザート
冷やりさっぱりしたムースを食後にお一ついかがでしょうか。

今期の甘味は『韃靼そば茶のムースにチュイールを添えて』です。
ほのかに香ばしい薫りのムースに、黒蜜をとろりとかけて。

冷たい韃靼そば茶とセットでお出しします。